「 宮様と高松中学校の生い立ち 」


8.第一回運動会に校旗ご披露




第一回運動会に校旗ご披露
 昭和二十四年十一月三日、第一回運動会に披露式をかねおこなわれましたが、光輝ある
校旗の下で活躍した生徒の希望にみちた晴れやかなひとみは、将釆を約束するかに見えて
感慨無量でした。(記念号より)
 校旗は重かった
 いま、私はあの日の校旗の重さと、掌の汗をはっきりと想い出している。
 あんな晴れがましい場面で、本釆私ごときが手にすべきものではなかったことは、
私自身が一番よく知っている。
 先導する長坂校長の後を行くのが勢一杯で、磨きぬかれた黒塗りの旗竿を握る両手に汗
がにじみ、わずかな風圧と旗の重さに耐えるのがやっとだった。あの儀式がどう終ったの
か全く覚えていないのは、やはり頭の中が、カラツポだったせいなのだろう。が、とまれ
運命のいたずらで、少年時代の何物にもかえがたい輝かしい想い出となったことを、私は
終生忘れない。
 (一期生 増渕政光)