「 宮様と高松中学校の生い立ち 」
7.校旗と創立記念日
校旗と創立記念日 殿下はデザインについて、ご自身で考案され大変ご苦心なされました。校章の松葉を色 々な大きさに切られて構図をお考えになり、配置についても内外の名士やその道の専門家 のご意見を聴せられたと承っています。また最初ご注文なされた東京の某大百貨店を、調 製中途にして、本場京都の龍村織物に注文代えされ、同社でも専門のエキスパート十二名 が二ケ月余の日数を費して完成されたものであります。 昭和二十五年秋たまたま全国中学校長会が京都で開かれた際、私は同社を訪ねて調製に 当っての苦心談をつぶさにうかがい、ただただ感激あるのみでした。 校旗を御下賜いただいた昭和二十四年十一月二日を開校記念日と致しました。 校旗のデザインについて 1、地色の深緑色は松の緑を緑色にちなんだもの。 2、校章の松の刺しゅう以外何の文字もないのは、将来学制が変更されたり、学校が昇格 した場合でも不変に通用出来るため。 3、校章の旗の中の位置は、ほば黄金分割の比になっている。 4、生地が、ウールであること。 5、鳩目は、天皇旗のそれを擬していること。 6、旗竿の金具は全部\正倉院の御物に擬していること。 7、房は、全部手製で技術と日数を要した。 (長坂初代校長記、記念号より)