「 宮様と高松中学校の生い立ち 」

 6.宮邸内プ−ルで水泳指導

 

宮廷内ブールで水泳指導

 二十四年七月十六日
 高松官、同妃殿下プールへ御成り
 「子供達の元気な声を聞くのが、とても楽しみ」とのお言葉。

  昭和二十五年夏には、このプールで、戦前のロサンゼルス・オリンピック
  一、五〇〇米の優勝者、北村久寿雄氏をお迎えして模範水泳が行われた。
 また学校日誌には
 九月六日 宮邸職員、本校職員、選抜生徒の競泳
 十月十四日 宮邸職員対本校職員の親善野球試合
  と記載されている。

  当時焼跡の東京には、まともなプールなビ一つもなかった。わずかに焼け
  残った各学校のブールにも汚れた水が貯り、どうにか泳げる程度だった。
  そんな時緑に囲まれ、透明な水を満々とたたえたブールをお貸し頂いたのだ
  から教職員も生徒たちも、夢の世界に迷い込んだような気がしたものである。
  「プールに水を入れるのは私の役目で、学校に行く前に宮邸内の吉島さんの
  お宅へ伺い、力ギをお借りし、裏の戸を開け準備をしてから、校舎への坂道
  を降りました。」
                  (元高松中教輸 土屋達男)